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人工知能が病変のがん化を97%の精度で予測

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
公開日:2018.7.5

人工知能を利用することで、マンモグラフィ検査と生検で見つかった乳房の「高リスク病変」ががん化するかどうかを97.4%の確率で正しく予測できる可能性があると、新たな研究で報告されました。

報告した研究者らは「この人工知能システムを導入すれば、不要な手術を減らすことができるかもしれない」と話しています。

マンモグラフィからのがん化予測は難しい

乳がん検診のマンモグラフィ検査では、がんを疑う結果が見つかったら組織の一部をとって調べる「生検」を行います。その結果、細胞に異常が認められると「高リスク病変」と判定されます。高リスク病変は正常ではありませんが、多くの場合、まだがんではありません。将来がん化するかもしれませんが、しないものも少なくありません。

そのため、医師によって高リスク病変の治療方針は異なり、がんを取り逃がさないよう必ず手術するという医師と、異型乳管過形成(ADH)や非浸潤性小葉がん(LCIS)などの特にリスクの高い病変のみ手術するという医師がいます。しかし、前者の場合はがん化する可能性が低くても手術することになり、患者さんの負担は大きくなります。一方、後者の場合はADHやLCIS以外の高リスク病変ががん化した場合、取り逃がしてしまう可能性が生じます。

不要な手術の3割を回避できる?

そこで今回、米マサチューセッツ総合病院の研究者らは米マサチューセッツ工科大学の研究者らと協力して、高リスク病変に手術が必要かどうかを見極める「機械学習モデル」を開発しました。機械学習とは人工知能の一種で、過去の経験に基づいて自動的に学習し、進歩していくシステムです。

開発したモデルを検証するため、研究者らは生検で高リスク病変と判定された後に手術または2年以上の経過観察を受けた患者さん1,006人分のデータを用意。まず、そのうち671人分のデータをこのモデルに組み込み、生検結果の報告テキストと病変の種類、患者さんの年齢などのさまざまな関連情報を読み込ませて学習させました。

次に、このモデルで残りの335人について将来の予測を行ったところ、がん化した38病変のうち37病変(97.4%)を「がん化する」と正しく判定できました。また、がん化しなかった297病変のうち91病変(30.6%)では手術を回避できることも示されました。さらに、生検結果の報告テキストに「severely atypical(高度の異型)」という表現のある患者さんではがん化の危険性が高いことも分かりました。

この結果を踏まえ、研究グループは「今後はマンモグラフィ検査や生検の画像データも機械学習モデルに組み込み、最終的には実際の治療に取り入れたい」と話しています。(HealthDay News 2017年10月17日)

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