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B型肝炎でもアスピリンを飲むと肝がんになりにくい?

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
NEW公開日:2018.5.11

B型肝炎の患者さんが毎日アスピリンを飲むと、肝がんになる危険性が下がる可能性があることが分かったという研究結果が、米国ワシントンD.C.で開催された肝臓病の専門学会で発表されました。

肝炎患者さんはがんリスクが高い

B型肝炎ウイルスに感染し、体内に保有している人(キャリア)の多くは症状のないまま一生を終えますが、一部の人では慢性B型肝炎、肝硬変、肝がんの発症へとつながることが知られています。B型肝炎ウイルスのキャリアは全世界で約2億4000万人にも上り、特にアフリカやアジアでは人数が多いため、B型肝炎ウイルスを原因とした肝がんが社会にもたらす影響は極めて大きいといわれています。

そこで、台湾にある台中栄民総医院の消化器科医らが今回着目したのが「低用量アスピリン」。というのも近年、この薬を飲むと大腸がんなどのがんを予防できるという証拠が集まりつつあるからです。

この研究では、1998~2012年の台湾の国民健康保険の調査データベースを用いて大規模な追跡調査を実施しました。B型肝炎の患者さん20万4,507人のデータを分析した結果、1日1回低用量アスピリンを90日間以上飲んだ人は、年齢や性別が同じで低用量アスピリンを飲んでいない人に比べると、肝がんを発症する確率が明らかに低いことが分かりました。

治療薬の使えない患者さんに朗報?

B型肝炎では近年、原因のウイルスに対して高い効果を持つ新たな治療薬が登場しており、以前に比べて治癒できる可能性が高まっています。しかし、研究を行った消化器科医らは「B型肝炎の患者さんが抗ウイルス薬を使用すると肝がんになる危険性は明らかに低下しますが、ゼロになるわけではありません。また、こうした薬が適さない人もいます」と説明。「B型肝炎ウイルスを保有し、抗ウイルス薬を使えない患者さんの治療に携わっている肝臓専門医にとって、私たちの研究結果が一助になるかもしれません」と話しています。

ただし、今回の研究はアスピリンの使用と肝がんの発症しやすさが関連することを示したに過ぎず、「アスピリンを飲んだから肝がんを防げた」という意味ではありません。また、この研究は学会で発表されたものであるため、厳密な審査を受けて専門的な医学誌に掲載されたわけではない点にも注意が必要です。(HealthDay News 2017年10月20日)

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