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米国のがん患者さん4人に1人が治療費節約、「勝手に減薬」も

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
公開日:2018.5.2

がんの治療薬には高価なものも多く、さらにがん患者さんは治療のために仕事を休んだり辞めたりせざるを得ない場合もあります。日本では医療費の一部負担や高額療養費制度など、患者さんの経済的な負担を軽減する仕組みが比較的整っていますが、それでも経済的な不安を抱えるがん患者さんは少なくありません。

こうした悩みは他の国でもみられ、国民皆保険制度ではない米国ではがん患者さんをとりまく状況はさらに厳しいことが、同国で最近実施されたがんの意識調査で分かりました。

この調査によると、高額ながん治療費を節約するために「予約日に受診しない」「薬を半量だけ飲む」「治療を拒否する」などの行動を取った経験のあるがん患者さんは4人に1人。調査を行った米国臨床腫瘍学会(ASCO)の関係者は「高額ながん治療費のために米国民は生命の危険にさらされています」と懸念を示しています。

「パンか薬か」選択を迫られる?

この調査はASCOが調査会社に委託して実施されたもの。2017年7月10~18日に18歳以上の成人4,016人がオンラインで調査に回答しました。

その結果、自身ががんになった経験のある人は4%で、近親者ががんになった経験のある人は32%でした。これらのがん経験者のうち27%には治療費を削減するために治療を省いた経験があり、例えば以下のような行動を取っていました。

・予約日に受診しなかった(9%)
・治療を拒否した(8%)
・処方された薬を受け取りに行くのを遅らせた、あるいは受け取りに行かなかった(8%)
・処方された薬を使用しない時があった(8%)
・薬を半量だけ飲んだ(7%)

ASCOのチーフメディカルオフィサーは「がん治療を取るか、それとも衣食住に必要なものを取るかという選択を迫られることがあってはなりません。患者さんが独断で治療薬の使用間隔を空けたり、半量に減らして使用したりすることは危険であり、しかも多くの医療従事者はそれを把握できていません」と警鐘を鳴らしています。

政府にも一般国民にも課題

なお、この調査では回答者の多くが「米国政府はがん治療薬の価格を抑制する措置を講じるべき」と考えていることも分かりました。例えば、92%は「公的医療保険が製薬会社と医療用医薬品の価格を交渉できるようにすべき」と考えています。「政府は薬の価格を統制すべき」「国外からのがん治療薬の購入を合法化すべき」と回答した人の割合もそれぞれ86%、80%を占めました。

一方、がん予防に対する関心は薄く、「政府は予防対策にもっと資金を投じるべき」と回答した人の割合は半数以下で、肥満や飲酒によってがんの危険性が高まることを知っていた人は3分の1未満にとどまりました。(HealthDay News 2017年10月24日)

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