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乳房インプラントがまれな血液がんの原因に?

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
公開日:2018.3.20

「テクスチャードタイプ」と呼ばれる表面がざらざらとしたタイプの乳房インプラントを使用すると、まれな血液がんの一種である未分化大細胞リンパ腫(ALCL)を発症する可能性があるという研究報告が、医学誌「JAMA Surgery」に10月18日掲載されました。

この結果を報告した米ペン・ステート・ヘルス・ミルトン・S・ハーシー医療センターの研究者は「過去10年間で乳房インプラントに関連したALCL(BIA-ALCL)が300件以上報告されています。発症率は乳房インプラントを挿入した女性3万人につき年間1件程度と推定されていますが、実際の人数はもっと多いかもしれません」と注意を呼び掛けています。

インプラントのタイプが重要

今回の研究ではBIA-ALCLを発症する仕組みや危険性を高める要因、どのような治療が行われているのかなどを調べるために、過去の研究を検索しました。1997年8月~2017年1月に発表された論文115件が見つかり、これらの論文で報告されていた患者さん93人と、研究者らが自身で診た患者さん2人のデータをあわせて分析したということです。

その結果、乳房インプラントには表面がなめらかな「スムースタイプ」と、凹凸がありざらざらとした「テクスチャードタイプ」がありますが、ほぼ全てのBIA-ALCLが「テクスチャードタイプ」のインプラントに関連していることが分かりました。

なお、患者さんの半数以上は乳がん治療のために乳房を切除して再建術を受けた女性で、残り半数は美容目的で乳房インプラントを挿入した女性でした。BIA-ALCLの発症時期は乳房インプラントを挿入してから中央値で約10年後でした。

「慢性的な炎症」関連か

研究者らはBIA-ALCLの原因について「インプラント周辺で慢性的に起こる炎症が関わっているのかもしれません。テクスチャードタイプのインプラントにはごく小さな穴があいていて、その穴に組織が入り込んで増殖し、周囲の炎症を長引かせる可能性があります」と推測しています。

さらに「今も原因は調査中ですが、テクスチャードタイプのインプラント製品が発売された1990年代以降にこの種のがんがみられるようになったことは確かです。また、テクスチャードタイプの製品では製造企業にかかわらずALCLが報告されていますが、スムースタイプの製品では報告がありません」とのこと。ただ、多くの患者さんは詳細な検査をしないままインプラントを抜去しているので、関連性を断定することは難しいということです。

研究者らは「乳房インプラントを用いた治療に携わる医師はBIA-ALCLの危険性を認識し、初期症状に気付けるようにしておくことが大切。また、手術前の患者さんへの説明も重要です」と助言しています。(HealthDay News 2017年10月20日

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