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米国ではがんによる死亡率が減少

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
NEW公開日:2018.1.19

米国がん学会が最新のがん関連データをまとめた報告書「Cancer Progress Report 2017」によると、米国では1991年から2014年にかけて、がんによる死亡率が小児で35%、成人では25%低下したことが分かりました。
この死亡率の低下により、210万件のがんによる死亡を防ぐことができたと推定されています。

ただ、2017年のがんによる死亡者数は依然60万人を超える見通しです。
さらにがんの新規発症は年間170万件にも及んでおり、2030年には230万件まで増加するとの予測も示されました。

同学会の会長は「がんの発症が増えると予測したのは、米国民の高齢化が進んでいるためです」と説明しています。
米国ではがん患者のうち53%が65歳以上で診断されていますが、65歳以上の人口は2016年の約4900万人から2030年には7400万人超に増加すると推定されているそうです。

治療・予防では着実な進歩

この報告書ではがん対策の進歩も紹介しています。
その1つが治療薬の開発で、2016年8月から2017年7月までに米国の政府機関である米食品医薬品局(FDA)はがんの新薬9種類を承認し、既存の治療薬8種類を他のがんにも使うことを認めました。

新薬のうち2種類は、複数のがん種で患者の生存率と生活の質(QOL)を向上させることが期待されている「免疫チェックポイント阻害薬」。
残る7種類はがん細胞の特徴的な分子に働きかける「分子標的薬」です。そのほか、脳腫瘍をリアルな画像として描出できる新たな造影剤も承認されています。

予防の面では、肺がんの主な原因である喫煙の対策が進み、2000~2015年に喫煙率が39%低下したことも注目すべき点でした。
一方、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンも将来的にほぼ全ての子宮頸がん、多くの口腔がんや肛門がんを予防できる対策として期待されていますが、2015年の接種率は女子で63%、男子で50%未満にとどまっていたことも分かりました。

今後の研究に期待も、医療政策には課題

この報告書によると、米国で多い乳がんや大腸がん、肺がん、前立腺がんによる死亡率は10年以上にわたって低下しています。
一方、脳腫瘍や肝がん、子宮がんなどの死亡率は上昇しているということです。

そのほか、人種や保険加入状況、経済力の違いなどによって受けられる治療に格差が存在していることも、引き続き課題として挙げられています。

がん専門家の1人は「がん患者の生存率が向上したのは、治療の進歩と検診による早期発見の影響が大きいでしょう。
課題は山積していますが、研究開発や検診などの面では正しい方向に進んでいるといえます」とコメントしています。(HealthDay News 2017年9月14日

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