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がんの多くは「偶然のDNA複製ミス」が原因

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提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
公開日:2017.10.16

がんと診断されたとき、多くの人は「なぜ自分が」という思いを抱きます。
しかし、その答えを得ることは簡単ではなさそうです。
最近、世界的に著名な学術雑誌である「Science」に掲載された研究によると、「がんの多くは偶然に起きた遺伝子の複製ミスによって起こる」ことが分かりました。

がん発生の3つの原因とは

この報告ではアメリカの研究グループが、がんゲノムのデータベースや各国でのがん発生状況などから、32種類のがんの数理モデルを作成。
異常細胞の増殖を促進する遺伝子変異が、がんの発生に結びついていく道筋を探りました。

がんの発生には、通常は複数個の遺伝子変異が必要です。
そうした遺伝子変異が起こる原因としては、(1)環境要因(悪い生活習慣、喫煙など)、(2)両親から受け継いだ遺伝的要因、(3)偶然に起きたDNA複製中のミス、の3つがよく知られています。

研究者の1人は「喫煙などの環境要因による影響は有名です。しかし、正常な細胞が2つに分裂するときにDNAが複製され、その複製のたびにいくつかのミスが生じていることはあまり知られていません」と説明。
このDNA複製ミスは、遺伝子変異の発生源として有力な候補であるにもかかわらず、長らく過小評価されてきたといいます。

遺伝子変異の原因の割合を推定

今回は、32種類のがんを引き起こす遺伝子変異の中で、これら3つの原因が占める割合を初めて推定しました。
その結果、がんの3分の2は偶然に起きたDNA複製ミスによって発生しており、29%が喫煙などの環境要因、5%が両親から受け継いだ遺伝的要因によるものでした。

特に小児がんは、ほぼ全例が偶然に起きたDNA複製ミスが原因と考えられることも分かりました。

ただし、がんの種類によっては生活習慣や環境による影響が大きいものもあり、例えば肺がんの場合、65%は環境要因が原因で、DNA複製ミスによるものは35%にとどまっていました。

研究グループは「がんの危険性を高める環境要因は避けるように、今後も広く推奨していく必要があります。しかし一方で、どんなにこれらの要因に配慮しても、DNA複製ミスによるがんの発生は防げないでしょう」と指摘。
そのため、がんを早期に、つまり治療可能な段階のうちに発見できる診断法の開発が大切になると話しています。(HealthDay News 2017年3月23日)

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